自己表現ぶろぐ

会社では冴えない社会人が、ネット弁慶になるためのブログ。好きなものや興味のあるものの感想を、ちまちま書きます。

【音楽】ARABAKI2019に行ってきました

稀代の10連休がやってくる。

別にいつも通りの休日ライフを過ごしても良いのだが、それではいささか時間が余りすぎる気がした私は、急かされるように情報収集を開始した。

 

いろいろなイベント情報が、まるで雪崩のように手元で荒れ狂う。

何が決め手になったのだろう、私はずっと前からあるアーティストを生で見たいと思っていたことに気が付いた。

決断は一瞬だった。友人に即連絡をし、快い返事をもらうとすぐさま旅行のチケットを模索する。連休ということもあり、新幹線とホテルとのセットになったプランはなかなか手ごろな値段で目の前に現れない。

しかし、世の中何とかなるものである。とある旅行サイトでおあつらえ向きなプランを見つけると、反射的に飛びついて予約を勝ち取った。

「行くぜ、ARABAKI」である。

 

当日は4時起きだった。もはや漁港である。

余り物のクルミパンで腹ごしらえをすると、颯爽と家を飛び出す。

手抜きの雨がぬるく顔を濡らすなかを走って始発の電車に乗り、段々と夜が明けていくのを車内から見ていた。

東京駅で友人と合流し、仙台までの2時間を喋りながら過ごす。これがまた丁度良い。

 

仙台に着いても雨はまだ降っていた。シャトルバス乗り場を探す。

ただ、ここで異変に気が付く。「シャトルバスのチケット買ってなくない・・・?」

そう、ARABAKIではシャトルバスに乗るためにもチケットが必要だったのだ。ローソンではチケット販売が終了しており、泣く泣くタクシーで行くことに。

「みちのく公園までお願いします」というざっくりした注文を投げて、車は走り出す。

車中も友人といろいろ話しながら過ごした。途中で渋滞に引っかかりつつもみちのく公園であろう場所の前に降り立つ。結局、そこから数十分会場まで歩いたのだが、なんとか我々は目的地にたどり着いた。友人は「これが最後のARABAKIだから楽しもうぜ!」と、開口一番に我々の不手際の影響を感じさせるライムをぶちまける。ともあれ祭典の始まりである。

 

最初は広い会場内を散策することから始めた。

どうやら、端から端まで30分は移動時間がかかるらしい。しかし、場所の広さゆえか色とりどりの露店が視界を賑わせる。

ジーマと生で乾杯をして、互いに初見だったLUCKYTAPESを見に行く。

彼らはコーラスにパーカッション、ホーン隊を従えた編成でノリの良い陽気でイカした音楽を届けてくれた。この日が晴天であれば言うことなしだっただろう。

期待を裏切らないアクトで、おそらくどのフェスでも重宝されるだろうなという安定感を披露してくれた。どの曲もお洒落感が漂ってきて、時間が経っても付き合っていける実力があるように思える。また会いましょう。

 

その後、チャラン・ポ・ランタン竹ピ竹原ピストル)を見に行くか問答があったが、Creepy Nutsを途中まで見てその後に女王蜂を見ることで落ち着いた。

Creepy Nutsはリハが長引かないため、本番前からガンガン飛ばして観客を掴んでいた。リハ中は移動していたために聴けなかったが、おそらく聖徳太子ラップを披露したものと思われる。(おそらくそんな盛り上がりだったので)

実力は両名折り紙付きで、フリースタイルダンジョンの盛り上がりと共に新たなヒップホップ文化を牽引している感が伝わってきた。楽曲もノリの良いものが多く、軽々プチョヘンザしてしまう。ここまでフェスに出るのも頷ける。あと、MC上手すぎる。

 

そして、良い雰囲気を持ったまま女王蜂へと移動する。友人の見立てではそこまで混んでないだろう、とのこと。

だが、会場は予想以上に混雑をしていた。良い意味で期待を裏切られる。

初めて見たのだが、演奏が格好良い。そして、それ以上にアヴちゃんが強烈だった。

野球で言う江夏、サッカーで言うマラドーナ、一人いるだけで全てを手中に収めてしまう存在感。生活感が全くないという非日常さも魅力の一つである。

楽曲だと「デスコ」が大変盛り上がっていた記憶があるが、前のお兄ちゃんがずーーーーーーーーっとノリノリだったのが微笑ましくも羨ましかった。ファンの鑑である。

 

さて、女王蜂の後はサンボマスターである。友人の知り合い全員が「ライブが良い」と言っているらしいので、期待が高まる。

始まってみると有名楽曲の応酬だった。それに応じるように、ボーカル山口さんの煽りがより会場の温度を上げていく。最初はツンツンしていた煽りが、徐々にデレていくのが最高で、不覚にもおじさんにキュンとしてしまった。恐るべし。

ライブ終盤には、自己肯定感の塊と化している自分に気が付いた。「あぁ、サンボのライブが良いって言う気持ちが身体で理解できた・・・・」としみじみしてしまう。

後から知ったことだが、当日は女優・のんちゃんも会場にいたらしく、最高すぎんだろうと二度震えたことは言うまでもない。

 

その後、唐揚げを食べながらZAZEN BOYSを遠くから聴き、その後の予定を考えた。

超絶技巧を駆使した楽曲と向井秀徳のシャウトが食欲を刺激する。

生「This is 向井秀徳」も聴けて、気分もぶち上げのままeastern youthに突撃する。

 

eastern youthも初見だったが、かなり格好良かった。それに、世代だったファンの方たちがノリノリで会場の雰囲気を作っていたのも良かった。

途中で寒さからトイレに立ってしまったのが惜しまれるが、武骨なロックが身に染みた。ボーカルの吉野さんのような格好良いおじさんがこの日は多すぎた。最高である。

 

お次はTHE BAWDIESを見た。「きっと好きだよ」と友人に勧められ見たのだが、もちろん好きでした。どこか懐かしくアップテンポな楽曲がモロハマり。ボーカルのイケメン具合など度外視で音楽を好きになってしまった。こういう出会いがあるからフェスはやめられない。

途中、「HOT DOG」の導入でマーマレード・ボーイの主題歌が流れたのだが、「ケンコバやん」と連呼しながら移動。お目当ての中村佳穂さんを見に行く。

 

ステージは簡潔だった。小さいといってよかっただろう。

それでも、お客さんがたくさん詰めかけていた。ひいき目有り無し関わらず明らかにキャパを超えていた。

ご本人が登場する。すると、即興で「前の方に空いてるよ」と歌いだす。最高である。ああ、この人を見に来て良かったと感じた。まだ何にも持ち歌を歌っていないのに、この人にはそんなこと関係ないんだな、と直感を覚える。

そこからは、もうずっと最高だった。語彙など関係ない。音楽が人々を包んで、彼女のピアノが歌いだし、歌声が温かいスープになって東北の夜に集まった人々の胸に染みていく。こんな素敵な空間を評論するくらいに野暮なことはないくらいだった。

出番は本当にあっという間。短いとは思ったが、充実感がそれを補って余りあった。

 

最高の締めを終えて、私たちはホテルへの帰路へとついた。

その後、いろいろと酒を飲み飲み話し合ったり、翌日に野球観戦をしたりと充実した時間を過ごすことができたと思う。久々のフェス、久々の東北は良い思い出で幕を閉じた。

 

その後、別の中村佳穂さんが出るフェスのチケットを買った。

平成もそうだったが、令和も最高な時代になることを確信させる。

そして私は今日、ラブサマちゃんのライブに行って平成を終えてくる。

音楽づくしの元号変遷に、幸せをかみしめながら行こう。皆々様も良い令和を。