自己表現ぶろぐ

会社では冴えない社会人が、ネット弁慶になるためのブログ。好きなものや興味のあるものの感想を、ちまちま書きます。

【読書】センスのバトン

私はよく図書館へ行く。

基本的には、何かを返したついでに何かを借りてというサイクルで、健康的なサイクリングかの如く、知の自転車操業を楽しんでいる。

そこで、図書館へ赴いて本を返却したときには、決まって私は「きょう返ってきた本」のコーナーへ足を運ぶ。

 

なぜかというと、そこには必ず誰かが必要としたであろう本が並んでいるからだ。

言うなれば、「センスのバトン」。誰かがその本を選んだセンスと自分の尺度とをすり合わせ、本を取捨選択していく時間は、知らぬ誰かと時間を共有しているようで楽しい。

誰かが作者や本の内容を絶賛することもなく、仮の宿りを離れたばかりの本たちが、ただ表紙を露わにだけして次の家主を待っている。

それは「タイトル買い」、あるいは「ジャケット買い」に近いのかもしれないが、予備知識がゼロでも本に触れられる点において、これほど気楽な本選びはないと思う。

 

というわけで今回は、そんなテキトーに選んで良かった本を紹介し、言いたい放題解説していこうと思う。

 

子供がもらって、そうでもないブローチ集 (Switch library)

子供がもらって、そうでもないブローチ集 (Switch library)

 

 

ご存知、オアシズ・光浦さんが書かれたシリーズ二作目の本書。

まず目につくは、センス爆発の金字塔的タイトル。これに飛びつける人とは仲良くやっていけそうな感じを覚えさせる、なんともたまらない表題となっている。

内容は、光浦さんが独身としての将来への不安を垣間見せつつ、独自のユーモアを展開してゆる~く手芸を楽しむさまが非常に面白い。

かと言えば、結構ガチの技量を見せつけて作品を完成させているので、そのギャップにもおもわず笑ってしまう。

また、おぎやはぎの小木さんと光浦さんとの対談の場面も収録されているのだが、小木さんの一方的なブス批判がひどすぎて笑った。けれど、光浦さんも歴戦の才女であり、それに渡り合ってしまうのだ。

そんな彼女のおかげで、全体的にゆるゆるな雰囲気でハッピーになれる一冊。モリマン・モリ夫が紙媒体で拝める点も良いね。

 

 

アレの名前大百科 (PHP文庫)

アレの名前大百科 (PHP文庫)

 

 

具体的に言うと、カラビナとかクロージャとかソンブレロとかの名前を思い出すための一冊。もちろん、新しい知見が得られる可能性も大である。

周囲にある、身近だけど案外名前を知れない物の名や、一度覚えてたけど忘れちゃった物の名が大量に載っていて楽しい。その君の名は。」具合には新海誠もびっくりであろう。

痒いところに手が届く、とはこの本のためにあるような言葉で、ありそうでなかった路線を開拓してそれをお金を生み出すコンテンツにするあたり、みうらじゅんの手腕が存分に発揮された書物であるともいえるのではないだろうか。

ともかく、読んだ後は誰かに話したくなること請け合い。積極的に話して自分の知識にしてしまおう。ただし、やりすぎるとアレ呼ばわりされるかもしれないので気を付けよう。

 

 

世界をひとりで歩いてみた――女30にして旅に目覚める

世界をひとりで歩いてみた――女30にして旅に目覚める

 

 

ブログの女王が、実は一人旅の女王でもあったというオチ。そんな一冊がコレだ。

自分で旅券や宿泊施設の用意をするドキドキ感や、現地での会話する際の緊張感も相まって、読んでいるこちらもどこか海外へ行きたくなってしまう。フランスでクロワッサン買うくだりが最高に良い。

そして、年齢にとらわれず行きたいところに行ってみる真鍋かをりの姿勢に、なんだか「やってやるぞ」というような元気をももらえるのである。

「ひとりで」歩く行為はいつしか、自分の夢や憧れを「ひとりでに」具現化するのかもしれない。

 

 

以上で紹介は終わりである。

もっと手に取っていたような気もするが、自分で選んだのとごっちゃになってしまったのでこの辺りでご勘弁を。

耳をすませば」ではないが、誰かが借りた本は、また別の誰かへとつながるのだ。その知の流れが耕す道が、きっとどこかに続くことを願ってこの曲でお別れ。

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【音楽】歌いたいカラオケ未収録曲を挙げて、ストレス発散するだけ

 暖かくなってきて、ふらふらと外へ出かける機会が増える今日この頃。

前回に続き、

 

vam-money.hatenablog.com

 

「カラオケ来てんのに何でこれが歌えないねん!」という魂のシャウトをし、支払いがネット通信費だけのフリータイムを満喫しようと思う。

もしご覧の方で同じ思いの曲がおありの方がいれば、ともに叫ぼう。それでは早速。

 

サイバーサバイバー/タルトタタン

タルトタタン サイバーサバイバー - ニコニコ動画

終始スラップ奏法が飛び交う、非常に疾走感のある大好きな一曲。

物語があるような、それでいてよく分からない歌詞も特徴的だが、最終的に私が歌いたいのは終盤の「ダンシン オール ザ ナイト」の真部さんコーラスなので、そこだけでもなんとかカラオケにねじ込んで頂きたいものである。歌わせろい。

 

Stuff is Messed Up/The Offspring

 

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ゆったりした立ち上がりから、どぎつい皮肉めいた歌詞がズドンとくる一曲。PVもなんだか不穏な感じだけれど、それこそがオフスプの挑戦的な姿勢を支えているように思える。

なんといっても印象的なのが、終盤での怒涛の単語ラッシュ。デクスターが、間にブレスを一回挟むだけで歌い切ってしまうのがなんとも格好良いので1回見てほしい。

なかなかに難易度は高いと思うが、それでも練習して挑戦したい。そんな魅力ある1節を歌わせろい。

 

キチガイスラッガー/ホルモン鉄道

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日本音楽界が誇る、唯一無二の独創的グループ・ホルモン鉄道。

そんな彼らの1曲はとんでもないタイトルであるが、歌詞の内容を紐解くと「まぁ仕方ねぇな」という気持ちにならなくもない。意味不明すぎて面白い。

テンポ良く繰り出されるスラッガー伝説が、どことなく歌いたさへとつながる不思議な曲でもある。歌わせろい。

 

なんかのさなぎ/ハマー(CV.小西克幸

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「ピュ~と吹く!ジャガー」のあの歌が、実際に歌になっちゃった衝撃の一曲。

実際に漫画を読んでた時には「DA・BA・DA」のところで大笑いした記憶があるが、歌の方のクオリティもなかなかに良い。特に、小西さんのメリハリの利いた歌唱が最高である。

実際に声に出した先に、一体どんな世界が広がっているのか・・・・。それを確かめたくなる一曲だ。歌わせろい。

 

だれかさんとだれかさんが/KIRINJI

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柔らかく優しい雰囲気が、学校生活を彩る桜かのような一曲。

新生KIRINJIとしてスタートした直後の曲で、堀込兄樹の作詞の良さがたっぷり詰まっているように思える。コトリンゴの優しい歌声も魅力的だ。

せっかく暖かくなり「夜のメロディ」であったりこの曲が似合うようになったのに、これだけ配信されてないのを知った時、カラオケ制作会社の背信を疑った。

きれいな日本語を用いた一曲、歌わせろい。

 

Angel Night~天使のいる場所~ /早見沙織

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言わずと知れたPSY・Sの名曲のカバー版である。

なぜわざわざこれを挙げたかというと、これだけキーが低いからだ。

現在登録されているバージョンは、オリジナルの他に中川翔子カバーの計2曲であるが、どちらもめちゃめちゃにキーが高い。正直、キーを下げても簡単に歌える一曲ではない。

一方、早見沙織バージョンは元々キー下げで歌っているため、男性ボーカルとして歌う際にとても助かるのである。

昨今のアニメで名曲をカバーするのが流行っているように見受けるが、私としては歓迎だ。上記の楽曲のように、男性ボーカルで歌う際のきっかけとしての役割が期待されるからで、はよ歌わせろい。

 

ということで、フリータイム終了延長なしである。

リリースから時が経つにつれ、カラオケ化の夢は遠ざかるのは百も承知だが、やはり歌いたいものは歌いたい。せめてもの慰めで思いを文字に起こしても、なんだか居心地が悪いような気もする。

なので、もし上記の歌がカバーで流れてくる家があれば、そこには私がいる可能性大なので、すみやかにDAMかJOYのカラオケ配信曲投票で、一票を投じてくださると幸いです。

 

 

【ゲーム】騎手の生き様を彩る「ひらがな」

本当に大事なことは、ひらがなでも充分に伝えることが出来る。

幸か不幸か、勝負に関わる情報が全て簡単な文字だったゲームに、幼い私は心を奪われた。

 

これまでの私の視力と時間とを奪い去っていったゲームの1つに、「ワールドダービー1993」というソフトがある。ハードはゲームギア。このハードは実に無骨な携帯ゲームであった。

競馬という未知なる世界に、まだ小学生も低学年だった私は、最初はおっかなびっくり触れ始め、そこから徐々に要領が分かるとのめりこんでいった。

小倉や中山がどこかも知らず、血統が何たるかも知らなかったが、そこには馬と人間とが織りなすドラマがあった。そして、おおざっぱながらも存在する戦法の違いや外見の差異などが私には新鮮で、一人一人の馬や騎手を自分なりに解釈して楽しんでいた。今思えば、「パワプロの登録名がどうだ」の、「オーストラリア代表のこの選手がどうだ」など、昨今の私の変態的こだわりはこの時期から芽を出していたのかもしれない。

 

さて、このゲームで冒頭の文章を色濃く表しているのは、ズバリ各騎手の説明である。

レース前には騎手を選択できるのだが、その騎手それぞれの説明文はほとんどがひらがなで、なかなかに味があって良い。

ということで今回は、その説明文を紹介すると共に、印象的なレースも適宜紹介しながら、好き勝手言いたいことを言おうと思う。

 

やすたか ランク・E (元ネタ・安田隆行

 

 ベテランのいじをみせる

 

トウカイテイオー新馬から支えた功労者だが、このゲームでの彼の印象は「ダカラフラッシュ(元ネタ・ナガラフラッシュ)」の主戦騎手だということに尽きる。

3歳新馬のエース格であり、ゲーム上ではナルサ(ナリタ)ブライアンにも引けを取らない強さを見せつける。

しかし、ナガラフラッシュは安田騎手が主戦から離れてから1着を勝ち取ることはなく、95年を以て引退。

また安田騎手は、彼女が引退した95年から調教師として活躍し、名馬を何頭も輩出している。

そんな彼は、最後に文字通りベテランの意地を見せ、ナガラフラッシュの躍動に心血を注いだ。簡潔な一文に、彼の自負が存分に込められていると思うと感慨深い。

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むらもち ランク・D (元ネタ・村本善之

しごとはそつなく

 

「そつのない仕事」ができる人ほど、職場に必要とされる人間はいないと思う。

そこには派手さはない。けれども、気が付くとその人は職場の中核を担っているのだ。

そんな仕事師が村本騎手である。

ゲーム上では、主にイイノディクタス(元ネタ・イクノディクタス)の主戦騎手として活躍。

正直、ゲーム上ではそこまで怖い馬ではないのだが、気が付くと2着にいたりする。そしてハイライトは、実際の安田記念での2着だろう。

 

14番人気でスタートし、道中は後方待機。最後の直線はほぼ横一線ながらも、ゴール直前にスルッと前に出てハナ差で2着と相成ったのだ。

ヤマニンゼファーシンコウラブリイニシノフラワーなど重賞複勝馬たちがひしめく中での2位。単勝オッズが100倍を超えるという超伏兵が魅せた奇跡に、村本騎手の渋さが光った。

続く宝塚記念でも、最強牝馬メジロマックイーンに次ぐ2着でゴールインし、名脇役としての面目躍如たる活躍を見せている。

それほど極端な追い込みを見せるわけでもないのだが、勝ち取るところはしっかりとモノにする村本騎手には、まさに「そつのない」という一言がピッタリである。

そんな味のある彼の騎乗と紹介コメントとに、酒が進むこと請け合いだ。

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なかだち ランク・D (元ネタ・中館英二)

ダートでにがせばあなあり

 

このゲームでも希少な、ダートに強い騎手として彼は登場する。

とはいえ、ダートでの活躍よりも逃げの印象が強いのは、彼の騎乗するトリプルターボ(元ネタ・ツインターボ)に原因があるのは明らかだ。

 というのも、このトリプルターボ、ゲーム中でも1,2位を争う逃げ馬として登場するのである。

 

ゲームで出てくるのは、七夕賞オールカマーの2レース。このどちらも驚異的なスピードで大逃げを打って出る。

「あなあり」どころか、風穴を開ける勢いで1位を独走しゴールかっさらっていくのがお約束となっている。

さすがにゲーム上での演出なんだろうと思いきや、彼らは実際のレースでもとんでもない大逃げを見せファンには愛されていたのだ。

オールカマーのが好きなので、そちらを紹介しよう。

 

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もう、とんでもないスピードである。単独首位とはまさにこのことで、逃げ専門であるはずのホワイトストーンすら、このスピードについていけていない。

ホワイトストーンがそれほど大崩れせず4着という点と、地味に2位をかっさらったのが、地方競馬の雄である「ハシルショウグン」という点も良い。天皇賞馬であるライスシャワーに土をつけた馬は数あれど、ここまで圧倒的なレース展開を見せつけたのは、ツインターボ・中館ペア以外にはいないだろう。歴史に残る一戦と言って良い。

 

実際に、中館騎手はダートでも「買える」騎手として活躍したようなのだが、ツインターボの逃げと言い、ヒシアマゾンの活躍と言い、その潜在能力の高さには目を見張るものがある。

「穴馬」を生み出す彼に、「穴」はなかったと言うべきか。

 

以上、今回はここまでで終着。

まだまだ上のランクの騎手がいるが、それはまた別のレースで。

自分自身、競馬はそんなに熱心には見ていないし、馬券を買ったこともないのだが、これ程までに個性豊かな騎手や馬たちが生きた時代に間接的にでも触れられて、本当に幸せである。

「コメントにひらがなだけじゃなくて、カタカナも混ざってんじゃねーか」という馬並みに視野の広い方からのヤジが飛んできそうだが、そこの部分は、どうかセイネヴァーで・・・・。

【生活】タイムスリップ ラン ザ ロード

よくよく考えてみれば、中学を卒業して以来まともに運動をしていなかった。

日々の生活のなかで、例えば駅の階段を積極的に上り下りするとかはしていたけれど、本格的に走ることなどはない。社会人になったことをきっかけに運動に手を出す人もいれば、私はどちらかというとインドアな趣味をより深く楽しむほうだった。

しかし、そんな私を外に連れ出したきっかけがある。ホカオネオネとエンジニアードガーメンツのコラボシューズの発売だ。

https://www.hokaoneone.jp/unisex-road/hupana-2-eg/1097110/BTBK/

 

「antenna」だったかでファッションブランドのコラボ特集を何とはなしに見ている時に目が留まり、一切触れたことのなかったランニングシューズの世界の扉を開けたのだった。買ってしまえば走るしかないということで、素敵な青と黒とのグラデーションのシューズを迎えた私は、まさに今日この日に初めてのランニングを敢行した。

 

シューズの感触はばっちり。道を蹴る足も軽やかで、さすがは「time to fly」の謳い文句といった弾力性。

一歩一歩踏み出すごとにしっかりと大地を踏みしめてくれる安定感が嬉しい。

足を運ぶごとに迫りくる喜びに、一歩また一歩と足を出していく。走るって楽しいなぁ・・・・。

 

5分後、めちゃめちゃ息があがる。喘息特有の、水あめが喉奥に張り付くかのような炎症が私を襲う。目的地まではずーっと坂道である。

私はさながらシルポート並みに逆噴射をしながら、坂道をズルズル登っていく。くしくも、周囲には幼いころに遊びまわった景色が走馬灯のように広がっている。死も近い。

私は走れば走るほどに苦しくなっていき、変わらない風景は依然として思い出を映し続ける。走れば走るほど、「今」が感じられるその瞬間に、私はなんとも理不尽な時間の流れを確かに見つけていた。

 

その時、その地域で一番ぜえぜえしていたであろう私は、スピードをウォーキング程度に緩めてなんとか生き永らえた。というより、半死状態なのでリアルウォーキングデッド状態ではあったが。

歩いてみると、春の陽気が柔らかく感じられ、上下のスポーツウェアの締め付けが心地よく筋肉を支えていることに気が付く。北方三国志張飛が、「死地に入ってからが本番」的なことを言っていたのを思い出した。あれを読んだのはいつだったか。

 

その後、走ったり歩いたりを繰り返しつつ、目的の森林公園で一休み。

一瞬、悠久の時を超えた何かが口から出そうになるも、物理の力でねじ伏せて事なきを得た。

行きの1.8キロに対し、帰りはペース配分を少し緩くしての2.5キロで走行。SASUKEにて「息を吸え」というアドバイスが飛んでたのを思い出し、呼吸を意識しての帰宅となったが、これが意外に足が動いた。少しは錆びついた身体も順応したのかと思うと感慨深い。

そんなこんなで、ランニング生活1日目は終了。1日おきで少しずつ走れるかを試していこうと思う。

 

もう3月も本当に終わりを迎え、いよいよ4月に突入だ。

寝ている間に人は夢の中で走り、あるいは動き回って、時間だけが身体を朝へと連れ去っていく。

今日も寝ている間に、私は4月1日へとタイムスリップしていることだろう。そんなベッドルームでの思いを乗せてこの曲でお別れ。春へと、ページをめくろう。

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【映画】声に出して読みたい「木曜洋画劇場」の予告

山本・・NHKはスポーツをでき事として捉える傾向が強いように思います。それに対して民放の場合は、ある意味で商品として捉えている。 

 

というのは、「実況席のサッカー論」(山本浩・倉敷保雄出版芸術社、2007)からの一節である。NHKの実況が心なしか落ち着いて聞こえるのは、このような要素が関わっているのかと思うと腑に落ちる。スポンサーに応えるか否かというのは、番組制作に大変な影響を与えているということだ。

 

そして、この違いは映画放送の予告にも表れていると思う。

例えば、NHKの場合はあらすじを簡単に紹介し、テロップなどで過剰な演出をして盛り上げることはないイメージがある。実際に、現在BSで放送中の「プレミアムシネマ」では、番組プロデューサーが落ち着いた語り口で映画の魅力を伝えてくれている。

対して、さながらアメリカのお菓子のように、コテコテの色付けで分かりやすく映画を盛り上げてくれるのが「木曜洋画劇場」だった。

良くも悪くも、「商品」としての映画を宣伝するために繰り出される愉快なワードの数々は、実演販売員が演出する売り込み文句を彷彿とさせる。

今回は、そんな木曜洋画劇場の予告編が織りなす「立て板に水アクション」を紹介して、言いたいことを言おうと思う。

 

レッド・ウォーター サメ地獄/ナレーション・大塚芳忠

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早速、タイトルがズルい斎藤孝先生も興奮を隠しきれない日本語っぷり。「血」という単語を使わずに阿鼻叫喚の情景を表現する辺り、映画製作者側も相当な手練れだ。

そんな映画が、テレ東のぶっ飛びセンスと合わさってしまい、今回映画予告という形で世に送り出された。

さらっと挿入された嘘字幕芸も見逃せないが、プロレタリア・シャーキング・パニックという新ジャンルが爆誕していることを感じさせない勢いの良さと、大塚芳忠さんが最後何者かに襲われるというオチが、1分という枠を超越したボリュームを生み出している。全くもって、最高という一言が似合う一作だ。

 

コマンドー/ナレーション・内海賢二

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言わずと知れた、人気B級映画。もう5回以上見た。

のっけから、シュワちゃんの肉体を分かりやすく賛美した筋肉賛歌が楽しめる逸品。予告自体にスピード感はないが、内海賢二さんの重厚な声質とも相まって、ずっしりとした重量感を覚えずにはいられない。

最後には、「戦うパパは、かっこいい」という 取って付けた 親子愛の部分にも触れており、健全なる肉体と親子の深い情愛、コマンドーの秘める人間賛歌の可能性にまで気が付かせてくれる秀作になっている。

 

プレジデントマン/ナレーション・郷里大輔

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開幕「待ってました」で視聴者を強制的に待ち人にする(良い意味で)凶悪なシステムを完成させた良作。

チャック・ノリスの「サマラァイ」「ブシドー」が聴ける貴重なCMであるが、それゆえに内容が謎に包まれるという、心憎い演出も魅力だ。

ただ内容はともかく、チャック・ノリスの強さは十二分に伝わってきて、これだけでチャック・ノリス・ファクト三杯はイケる出来上がりだ。

 

ノックオフ/ナレーション・玄田哲章

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テレ東スタッフはジャン=クロード・ヴァン・ダムという名前がよっぽど好きなんだろうなぁ、ということがこれでもかというくらいに響いてくる。

「全身の毛穴で受け止めろ」という、急な無茶ぶりもご愛敬。終始ハイテンションで駆け抜けた玄田さんにも拍手を送りたくなる。

 

コブラ/ナレーション・立木文彦

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「男の子リトマス試験紙」がやりたかっただけだろ!という意欲作。木曜洋画の予告常連の立木さんが、今回もそつなく読み上げる。

爆発、銃撃と、アクション映画の基本的な盛り上げの中にさらっとハイセンスな言葉の地雷を隠しこむ姿勢がたまらない。踏み抜いた時の快感たるや、予告製作スタッフの熱量が全身を駆け抜けるような得も言われぬ感覚である。

 

如何だっただろうか。以上で、声出し終わりである。

気が付いてみたら、もれなく豪華声優陣が声を当てており、制作陣に改めて感謝を申し上げる次第である。

無骨なうるさ型オタクたちも、これならば絶賛間違いなしであり、ガルパン、艦これ、木曜洋画の時代が来るのは間違いない。

とりあえず、自宅で予告を文字に書き起こしつつ、実際に声に出してみるのも悪くないかと思うこの頃。Cubaseが活躍する日も近い。

 

 

 

【漫画】あの時、私に「キングダム」を薦めてくれた人へ

今回の記事は、キングダムに対する批判等では決してなくて、どちらかというとキングダムを薦めてくれた人に対しての、私個人の知らんがな案件である。

読む際はどうか、黄河、あるいは長江のようにたおやかに受け止めて流してほしい。私の思いは氾濫しているが、それは決して反乱ではないのです。

 

 

中学に入る前くらいに、北方三国志を読みふけったことがきっかけで、私はわりと中国が舞台の時代物が好きである。

当時は、「三国志を読むことはカッコイイ」と本気で思っていた。ブラックコーヒーや戦闘アイテムくらい、三国志はその時の私にとって高貴であり、憧れだった。

 

厨二病が功を奏して三国志のほかに、楊家将、水滸伝宮城谷昌光太公望も読んだ。中島敦の作品も雰囲気が好きで、悟浄出世とか山月記なんかは何度か読み返した。

その全てが小説であり、漫画などを読むことがなかったのは少し珍しいかもしれない。ともかくも、かなりの人々の人生が交差し、戦いに明け暮れた戦士の生き様というものが少なからず私の胸の内に秘められている(と思う)。

 

そんな私に、漫画「キングダム」を薦めてくれる人が過去に2人くらいいた。

名前は知っていたのでどんな内容かと思って尋ねたら、どうやら主人公がのちの始皇帝であり、戦乱を生き延びていくらしい。面白そうである。

ただ、悲しいかな私はその時、「もうこれ以上中国人の名前を覚えるのは無理だ…」と思ってしまったのである。戦う前からのギブアップ。孫氏兵法の面目躍如である。

 

というのも、三国志だけでも主要登場人物が500人は軽く超えており、加えて水滸伝梁山泊には108人のあだ名付き英雄達が登場するのだ。

「おう、白面郎君」「なんだ神箭」

みたいな会話をフツーに繰り出すので、誰を指したあだ名か分からず、そのフレンドリーさにしてやられることも多い。

もはや何を忘れているかを忘れ、何が正しいかも怪しい。ストップ四大奇書詐欺被害の立派な対象と言っていい。

 

これからキングダムを迎えるためには、人名データ容量を削除しなければならない。「えーと、竹林の七賢は消そうかな〜?」なんて悠長に選択する気力もなく、私はオススメの申し出を丁重に断った。

それに、舞台となる時代も水滸伝から一気に1000年も遡ることになるため、TOD2のタイムリープにすら、ついて行くので必死だった私に、この時間旅行は耐えられないだろう。

とはいえ、どれくらいの長さにまとまっているのか気になり、ネットで調べてみると、30巻を優に越しているではないか。(当記事編集時、単行本49巻既刊)

「いや、めちゃめちゃ勝負かけてオススメしてきたな!」と、思わずにはいられない。

 

この気持ち…なんというか、プロ野球が好きな人にいきなり「ドカベンプロ野球編」を薦める感じとでも言うのだろうか…?巻数にボリュームがありすぎるというか…。

今回の場合はもっとこう、「STOP劉備くん!!」くらいのボリュームから段階を踏んでほしかった。ミスフルで合宿の際に猿野が、バッグ一杯にこち亀ぶち込んでくるボケじゃないんだから…。

言いたいことまとめ

 

作品はおそらく面白いかもしれないが、まずは軽めの作品からおすすめしてほしい。それと、薦めてくれた人はいずれもそんなに仲良くなかったので、長編漫画をお勧めする際には信頼関係の構築もできればお願いしたい。

あとは、相手が歴史物好きで、漫画のタイトルも既知なのに手を出していない場合は、地雷を疑ってほしいなぁ、と思った次第である。

 

以上で、不満解消の手続きは完了した。

世の中、こんなにめんどくさい人ばかりではないので、皆々様には好きなものは誇りつつ適度に布教活動を行っていただきたい。

ただ、私が態度を改めるかというとそんなこともなく、「一を以て之を貫く」という、孔子の格言ロードを実力行使で進んでいく所存です。

【生活】ぼんやりしていたら1年経ってました

気晴らしにブログを始めて、1年の歳月が流れたらしい。

はてな運営からのメールで、「もうそれほど経ったのか」と、一瞬過ぎ去った年月に思いを巡らせてしまった。

 

改めてこの1年で作成した記事を見返してみると、情報があっちいったりこっちいったりしていて、大変にせわしない。

全くもって多動。移住に次ぐ移住。後藤修もびっくりである。

ただ、そういった「情報のごった煮」的な創作作品が好きだったりするので、その影響が大いに出ていると思うし、なにしろちょっと居心地(?)が良い。

さすがに、ジャンクフードと修飾されるのはちょっと気が引けるので、明るい味蕾に修飾希望だわって感じで、手前味噌させていただいた。以上、振り返り終わり。

 

そんなこんなで、今回は近況を軽く記していこうと思う。

また、ここから1年を始めていこう。

 

§

最近、ちょっと気分が落ち込むことがあった。

そういう時に限って、何か気晴らしをやろうとする気持ちも減退してしまう。

せめて、図書館へ行き本くらいは読もうかなと思ったが、あいにくお目当ての本は予約しなければならず、すぐには読めない。

ふと、スマホのアプリ・青空文庫を思い出す。読みかけのタイトルがいくつも眠っていた。すかさず起動。

そこでチョイスしたのは、「藪の中」と「蟹工船」。案の定、気分が明るくなるわけはなく、負の連鎖に打ちひしがれる。

その後、テレビで突発的に「戦場に架ける橋」へ遭遇した私は、結末知ってるのに最後まで見てしまい、無事気分を奈落へ突き落したのでした。マッドネス・・・・。

 

§§*1

そんな私を癒したのは、平昌五輪でのロコ・ソラーレ北見の大健闘であった。

国の威信をかけて展開される頭脳戦に、思わず息を飲んで見守っていたが、彼ら・彼女らにもう癒されすぎて、確か3位決定戦のもぐもぐタイム中に、小野寺コーチが空気椅子してる映像を見ただけでも私の心は満たされた。

ついでに言うと、鈴木夕湖選手の公式プロフィールに「趣味・どうでもいい話をする」というのを発見し、私のナンバーワンストーンはあっさりとテイクアウトされてしまった(??)のであった。

五輪後は正直、「カー娘ロス」という単語が一瞬頭によぎったのだが、彼女らの戦いや挑戦はこれからも続くわけで、勝手にロス認定するのは失礼である。(ロス)暴動が起きかねない。

チームの残した銅メダルという結果に惜しみない賞賛を送るとともに、4年後も絶対にカーリングを見ようと心に誓ったのであった。

 

§§§*2

心が少し回復し、かつスポーツの気分であったので、この前時間があるときにオーストラリア代表メンバーの、現時点での所属チームでの個人成績を全部洗いだした。

とはいえこんなことをしても、普通に雑談のネタとして無暗に人へ話すと信用を失いかねないので、今から6月のW杯期間が待ち遠しい。この情報収集が、案外楽しいのだ。

調べていて、選手のネームバリューや成績が日本よりもだいぶ落ちている危機感はあったが、前回のW杯でのグッドルーザーっぷりからも、ナメてかかられると大物相手にも善戦できる可能性はある。

そだねー旋風が吹き荒れたように、豪だねー旋風をハウス(自宅)から期待しつつの執筆である。頑張ってほしい。

 

以上で、近況振り返りは終了である。

そういえば、プロ野球も開幕間近だ。スポーツの熱量がそのまま東京五輪まで引き継がれそうな、そんな春の訪れ。