【野球】プロ野球、イマイチ外国人列伝~投手編~
特に何かニュースがあったわけではないのだけれど、ふと脳内にプロ野球の選手の顔が浮かぶ時がある。例えば、同じ苗字の人を見かけた瞬間、似ている顔の人に会った時、などだ。
そんな時に思い起こす選手は、いったいどんな選手だろうか。
とっても活躍した往年の選手だったり、現役バリバリの選手、あるいは若手でこれからが楽しみな選手・・・・と、様々な色合いの面々が浮かんでは消えていく。
そして、「微妙な活躍しかできなかったけど、自身ではなぜか印象に残っている選手」も出てくるに違いない。長いプロ野球の歴史上、そのようなあまたの選手がプロの世界を去っていったことは紛れもない事実である。
そんななかでも、「助っ人外国人」という立ち位置の選手は実に短命だ。
なぜならば、彼らには場合によっては特別なギャランティ、特別なスカウト活動、外国人枠等々の問題が絡むため、活躍できない場合は比較的短期で解雇されてしまうからだ。
ただ、彼らのイマイチな活躍ぶりと彼らの個性とは全く切り離されて考えらるべきであるし、助っ人としての活躍を期待したファンの淡い思いは確かに存在したはずだ。
というわけで、今回の記事ではそんなイマイチ助っ人たちが残した記録に触れながら、ファン目線で彼らの印象を好き勝手に述べようと思う。イマイチな記事でも、彼らが海を渡ってきたようにネット航海の旅へとプレーボールである。
ケニー・レイボーン(2005・広島東洋カープ)
登板11 勝利3 敗戦5 防御率5.06
広島東洋カープが、ルイスやシュルツを当てる少し前に獲得した外国人ピッチャー。
球の回転で打ち取るいかにもな外国人特有のフォームが印象的で、「制球が良さそう」というイメージがあり、それを真似した思い出がある。
あまりにもイマイチだったのかyoutubeにはこの動画くらいしか見当たらなかった。そういう点もグッド。
それでも、彼は広島退団後に台湾へと渡り、見事助っ人としてエースに君臨。アジアシリーズへの出場で日本へと凱旋登板を果たしたのであった。
ただ、そのシリーズ戦(確か中日戦)でも活躍を果たすことはできず。やっぱりレイボーンは微妙なんだなぁという、広島時代のイメージが覆ることはなかったのであった。
ラモン・オルティズ(2007・オリックスバファローズ)
登板17 勝利4 敗戦7 防御率5.82
ニコニコと散髪をしていたおじさん、という朗らかなイメージが強い。
散髪の心得があるようで、ニュース番組内で腕前を披露していた。上手なのかは不明。
私が観戦したソフトバンク戦に登板した際には、それほど怖さのある投手という印象はなく打ち込まれていたのだが、メジャーでは複数回2桁勝利を記録した強者らしい。
きっと彼は野球を離れても、その素敵なほほえみでボールとグラブをハサミに替えて、誰かを散髪しているに違いない。散発ピッチングの次は散髪だ。がんばれオルティズ。
マット(マシュー)・ホワイト(2007~2008・横浜ベイスターズ)
登板39 勝利1 敗戦3 セーブ2 ホールド9 防御率4.87
彼の特徴は、一見すると日本人投手と思ってしまうような、身体も使った投球フォームである。そして、そこから繰り出されるスライダーが武器。
上記の投球フォームには解説者の誰かが触れていたのを覚えている(巨人戦だったかな)。「ふ~ん、そうなのね~」なんて思ってたら何のためらいもなく打たれ驚愕した思い出。
確か、その頃の横浜と言えば暗黒期真っただ中。外国人も不作で、ジェイジェイだのウッドだのウィリアムズだの有象無象が跋扈していたのだ。
マットホワイトもすぐ解雇かな、と思っていたらなんと残留しこれまたびっくり。ここから巻き返しかなと思いきや結局2年で帰国してしまった。あの奇跡は何だったのだろうか。
ジャスティン・ジャマーノ(2009・福岡ソフトバンクホークス)
登板13 勝利5 敗戦4 防御率4.38
器用なピッチャーだったという印象が強い。
同時期に入ってきたアギーラがド派手パフォーマンスを特技にしていたのに比べると、彼は大分大人しい。
1年して日本に慣れ、来季くらいからは本領発揮かなと思っていた矢先、メジャー意向が強かったようで退団してしまった。
結局、2009年には同僚のホールトンが先発転向で結果を残したから良かったものの、もう少し日本球界での行く末を見守りたかった投手の一人であると言えよう。
ジャン・チェンミン(2006~2007・読売巨人ジャイアンツ)
登板27 勝利5 敗戦6 防御率3.20
台湾から颯爽と現れた右腕。その姿が若くして日本へと来た郭源治にダブって見えたのは私だけであろうか。
風貌も格好良いし、制球力もあったと記憶しており、将来のスターになれる投手だと踏んで密かに期待をしていたものであった。それでも、2年目には思った活躍ができずにその年のオフに解雇されてしまった。
やはり、ネックとなった1つは外国人枠の存在であろう。力のある球団ならではの外国人招聘が、彼には壁となってしまったのだ。
それでも、巨人は彼を育成するべきであったと思う。若い選手であったし、多少時間が必要だったのではなかろうか。
そんな多少不運にも思える去就に、「イマイチ」という一言には収まらない哀愁や渇望、様々な思いが交錯しては霧散していく。
いかがだったであろうか。
「イマイチ」という冴えない単語にも、幾多の挑戦や熱意、夢を叶えられなかったもどかしさや諦観の念などが感じられた。
普通助っ人が活躍しなかった場合には憤ってしまうものであるが、一歩引いてみるとそれぞれの経歴や人生が垣間見えて何とも言えない気持ちになってしまうものだ。
全てのプロ野球選手、そして特にイマイチの壁に苦しんだ助っ人外国人に幸多からんことを。
【生活】ミネラルウォーター備忘録
最近、図書館でグッとくる一冊を借りた。
その名も、「ミネラルウォーターガイドブック」である。
言うなれば、ミネラルウォーターの選手名鑑。世界中のミネラルウォーターを硬度別に並べており、簡潔な説明文と美麗なカラー写真とでそれぞれ紹介している。
それまで、私は水にそこまで興味があるわけではなく、水素水ブームの時ですら食指を一ミリも動かさなかった鈍感者である。けれども、このガイドブックにおける豊富な情報量には驚かされ、実際の水を買って飲んでみたいと思うようになった。
図書館で借りた本なので返さねばならないが、その前に気になった種類をここに挙げておこうと思う。「書店で買えよ」と言われるかもしれないが、買っても見ずに流してしまう可能性があるため、この場で推薦させてもらおう。
樵のわけ前
何とも名前が洒落ている。
酒を造る際のアルコールの蒸発を「天使の取り分」と称するかのような、いかにも自然と共に生きる木こりらしい分け前である。
水源の水質、周辺環境を含めて、そこにいる者たちが共存を兼ねて守り通しているかのような、そんな優しい気持ちにもさせられる。
ヴォス
VOSS(ヴォス) still water ナチュラルウォーター (無発泡) 375ml×24本 [その他]
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北欧はノルウェーから、肥沃な大地が育んだミネラルウォーターである。
そのスタイリッシュな外見はインパクト絶大で、無殺菌という欧州ならではの厳しい水質管理が光るお水となっている。
夏にこれをキンキンに冷やして口にすれば、一気に北欧周遊気分であろうか。
ディーサイド
スコットランドはハイランド地方のお水。
ハイランドといえば、世界的にウイスキーで有名な土地であり、ディーサイドもウイスキーのチェイサーとして有用であるという。
もちろん、基本的にバーではミネラルウォーターで出てくるが、少しこだわりたい時には、このミネラルウォーターもアリかもしれない。
ゴッチアブルー
イタリア出身のミネラルウォーター。
なんといっても青いボトルが革新的で格好良い。
同じようなボトルのお水だと、「マニーヴァ」なんてのも洒落ている。できれば、インテリアとして置きたいような素敵ボトルである。
以上で備忘完了。
これからさらに暑くなる境目の八十八夜を迎え、水分補給の重要性も高まってくる。
そんな時、こじゃれた水分補給で気分をアゲるのも良いかもしれない。
【生活】悲しみのマッチングサイトと新しき知見
この世の中は、報われなかった夢の残骸でできている。
成功者を見る度に、私にはそんな思いがしてならない。
必ずしも浮き彫りになることのない挫折や未練が、むしろ成功者を取り上げことによって、注目あるいは浄化され、綺麗事だけではないこの世の中を形成していく。そう考えれば、例えばかつての野球少年が球場に足を運んで、プロ野球選手を応援することにも道理が通るというものだ。
ただ、そこにある一縷の諦念に気付き、寄り添えるような人間に出来ればありたいものである。
そんな前置きの後になんなのだが、私には恋人がいない。
気がつけば桜の散華と共に周囲の色合いも変わり、「結婚しました」だの「いい感じの女の子できました」というような連絡まで来る始末。
グレイテストショーマンを男友達と観に行くのも最高に良いのだが、このままではグレイテスト少子化マン一直線なので、そろそろ良い人を見つけたい。周囲からの持て囃しを独占する、ヒューヒュー・ジャックマン(要検証)でありたいのである。
男やもめだと上記の通りセンスも枯渇してしまうので、以前に登録して放置気味だったマッチングサイトを最近起動した。
このサイトにはいくばくかのお金を支払っているのだが、なかなか思うような成果が出ておらず、段々と疎遠になっていたのだ。
それで新たにいくつかメッセージなども送り、相手の反応を待つことで、私は何だかとんでもないことに気がついてしまった。
ということで今回は、そんな新しく得た知見について好き勝手言いたいことを書こうと思う。
そこに愛はあるか?
マッチングサイトやアプリでは、お相手の女性に短文でメッセージを送ることができる。
とは言っても、相手は会ったこともない人なので、基本的に相手の外見やプロフィールから言葉を見繕う。これがかなり難しい。
正直、これで興味を持ってもらえるのは余程の文豪、あるいはイケメンだけなのではないか?という気がしてならない。
私が文盲かつシケメンなのか、それなりに構成を考えて、短い文面の中に挨拶、褒め、プロフィール見た上での質問、を盛り込んで送ってもロクに返事すら返ってこない。「御免」の一言の後に切り捨てられる農民よりも、切ない斬られ方をしている。
しかも、こちらがお金を払ってこの有様なのだ。落語「死ぬなら今」の元ネタを名乗っても許されるのではないだろうか?
ただ、そんななかで私は気づくことが出来た。「その点ブログって凄いよな。細部まで愛たっぷりだもん」、と。
基本的に当ブログでは、私の好きな事柄や興味を持ったものにしか言及していない。
つまり、愛を込めて文章をしたためることができるということだ。それに、時間も苦なく注ぎ込める。
自分なりに丹精込めて送り出した記事がネットの海に流れ出て、たくさんの人の目に触れ、運が良ければ評価をいただける。
ちょっと頭を捻って書いた、毒にも薬にもならない短文よりも、閲覧数は多いし、お金はかからないし、満足はできるし、と私にとっては良いことづくめなのかもしれない。
そして、10,20人中1人にハマるかハマらないかの当ブログにたどり着いた貴君には、本当に感謝を申し上げる次第である。
私にとってのマッチングは、すでに当サイトで完結していたのかもしれない。そんな気づきを、ダメージを負いながらも得たのである。
今後も下手の横好き程度のテキトー知識を放り投げる場として、ここを使用すると共に、傷を得てますます強くなる蟇郡苛ばりに、マッチングサイトの方もめげずに続けようと思う。
ただ、就活のお祈りメールを通り越した黙祷で精神を削られる行為に、精神修行の感は否めない。
苦しみからの恩赦を請う斃者の終活は、一体どこまで続くのだろうか…?
「To Be Continued…」の雰囲気の中、最後はこの曲でお別れ。
https://m.youtube.com/watch?v=-Tdu4uKSZ3M
【読書】センスのバトン
私はよく図書館へ行く。
基本的には、何かを返したついでに何かを借りてというサイクルで、健康的なサイクリングかの如く、知の自転車操業を楽しんでいる。
そこで、図書館へ赴いて本を返却したときには、決まって私は「きょう返ってきた本」のコーナーへ足を運ぶ。
なぜかというと、そこには必ず誰かが必要としたであろう本が並んでいるからだ。
言うなれば、「センスのバトン」。誰かがその本を選んだセンスと自分の尺度とをすり合わせ、本を取捨選択していく時間は、知らぬ誰かと時間を共有しているようで楽しい。
誰かが作者や本の内容を絶賛することもなく、仮の宿りを離れたばかりの本たちが、ただ表紙を露わにだけして次の家主を待っている。
それは「タイトル買い」、あるいは「ジャケット買い」に近いのかもしれないが、予備知識がゼロでも本に触れられる点において、これほど気楽な本選びはないと思う。
というわけで今回は、そんなテキトーに選んで良かった本を紹介し、言いたい放題解説していこうと思う。
子供がもらって、そうでもないブローチ集 (Switch library)
- 作者: 光浦靖子
- 出版社/メーカー: スイッチパブリッシング
- 発売日: 2014/01/18
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログ (4件) を見る
ご存知、オアシズ・光浦さんが書かれたシリーズ二作目の本書。
まず目につくは、センス爆発の金字塔的タイトル。これに飛びつける人とは仲良くやっていけそうな感じを覚えさせる、なんともたまらない表題となっている。
内容は、光浦さんが独身としての将来への不安を垣間見せつつ、独自のユーモアを展開してゆる~く手芸を楽しむさまが非常に面白い。
かと言えば、結構ガチの技量を見せつけて作品を完成させているので、そのギャップにもおもわず笑ってしまう。
また、おぎやはぎの小木さんと光浦さんとの対談の場面も収録されているのだが、小木さんの一方的なブス批判がひどすぎて笑った。けれど、光浦さんも歴戦の才女であり、それに渡り合ってしまうのだ。
そんな彼女のおかげで、全体的にゆるゆるな雰囲気でハッピーになれる一冊。モリマン・モリ夫が紙媒体で拝める点も良いね。
具体的に言うと、カラビナとかクロージャーとかソンブレロとかの名前を思い出すための一冊。もちろん、新しい知見が得られる可能性も大である。
周囲にある、身近だけど案外名前を知れない物の名や、一度覚えてたけど忘れちゃった物の名が大量に載っていて楽しい。その「君の名は。」具合には新海誠もびっくりであろう。
痒いところに手が届く、とはこの本のためにあるような言葉で、ありそうでなかった路線を開拓してそれをお金を生み出すコンテンツにするあたり、みうらじゅんの手腕が存分に発揮された書物であるともいえるのではないだろうか。
ともかく、読んだ後は誰かに話したくなること請け合い。積極的に話して自分の知識にしてしまおう。ただし、やりすぎるとアレ呼ばわりされるかもしれないので気を付けよう。
ブログの女王が、実は一人旅の女王でもあったというオチ。そんな一冊がコレだ。
自分で旅券や宿泊施設の用意をするドキドキ感や、現地での会話する際の緊張感も相まって、読んでいるこちらもどこか海外へ行きたくなってしまう。フランスでクロワッサン買うくだりが最高に良い。
そして、年齢にとらわれず行きたいところに行ってみる真鍋かをりの姿勢に、なんだか「やってやるぞ」というような元気をももらえるのである。
「ひとりで」歩く行為はいつしか、自分の夢や憧れを「ひとりでに」具現化するのかもしれない。
以上で紹介は終わりである。
もっと手に取っていたような気もするが、自分で選んだのとごっちゃになってしまったのでこの辺りでご勘弁を。
「耳をすませば」ではないが、誰かが借りた本は、また別の誰かへとつながるのだ。その知の流れが耕す道が、きっとどこかに続くことを願ってこの曲でお別れ。
【音楽】歌いたいカラオケ未収録曲を挙げて、ストレス発散するだけ
暖かくなってきて、ふらふらと外へ出かける機会が増える今日この頃。
前回に続き、
「カラオケ来てんのに何でこれが歌えないねん!」という魂のシャウトをし、支払いがネット通信費だけのフリータイムを満喫しようと思う。
もしご覧の方で同じ思いの曲がおありの方がいれば、ともに叫ぼう。それでは早速。
サイバーサバイバー/タルトタタン
終始スラップ奏法が飛び交う、非常に疾走感のある大好きな一曲。
物語があるような、それでいてよく分からない歌詞も特徴的だが、最終的に私が歌いたいのは終盤の「ダンシン オール ザ ナイト」の真部さんコーラスなので、そこだけでもなんとかカラオケにねじ込んで頂きたいものである。歌わせろい。
Stuff is Messed Up/The Offspring
ゆったりした立ち上がりから、どぎつい皮肉めいた歌詞がズドンとくる一曲。PVもなんだか不穏な感じだけれど、それこそがオフスプの挑戦的な姿勢を支えているように思える。
なんといっても印象的なのが、終盤での怒涛の単語ラッシュ。デクスターが、間にブレスを一回挟むだけで歌い切ってしまうのがなんとも格好良いので1回見てほしい。
なかなかに難易度は高いと思うが、それでも練習して挑戦したい。そんな魅力ある1節を歌わせろい。
キチガイ・スラッガー/ホルモン鉄道
日本音楽界が誇る、唯一無二の独創的グループ・ホルモン鉄道。
そんな彼らの1曲はとんでもないタイトルであるが、歌詞の内容を紐解くと「まぁ仕方ねぇな」という気持ちにならなくもない。意味不明すぎて面白い。
テンポ良く繰り出されるスラッガー伝説が、どことなく歌いたさへとつながる不思議な曲でもある。歌わせろい。
なんかのさなぎ/ハマー(CV.小西克幸)
「ピュ~と吹く!ジャガー」のあの歌が、実際に歌になっちゃった衝撃の一曲。
実際に漫画を読んでた時には「DA・BA・DA」のところで大笑いした記憶があるが、歌の方のクオリティもなかなかに良い。特に、小西さんのメリハリの利いた歌唱が最高である。
実際に声に出した先に、一体どんな世界が広がっているのか・・・・。それを確かめたくなる一曲だ。歌わせろい。
だれかさんとだれかさんが/KIRINJI
柔らかく優しい雰囲気が、学校生活を彩る桜かのような一曲。
新生KIRINJIとしてスタートした直後の曲で、堀込兄樹の作詞の良さがたっぷり詰まっているように思える。コトリンゴの優しい歌声も魅力的だ。
せっかく暖かくなり「夜のメロディ」であったりこの曲が似合うようになったのに、これだけ配信されてないのを知った時、カラオケ制作会社の背信を疑った。
きれいな日本語を用いた一曲、歌わせろい。
Angel Night~天使のいる場所~ /早見沙織
言わずと知れたPSY・Sの名曲のカバー版である。
なぜわざわざこれを挙げたかというと、これだけキーが低いからだ。
現在登録されているバージョンは、オリジナルの他に中川翔子カバーの計2曲であるが、どちらもめちゃめちゃにキーが高い。正直、キーを下げても簡単に歌える一曲ではない。
一方、早見沙織バージョンは元々キー下げで歌っているため、男性ボーカルとして歌う際にとても助かるのである。
昨今のアニメで名曲をカバーするのが流行っているように見受けるが、私としては歓迎だ。上記の楽曲のように、男性ボーカルで歌う際のきっかけとしての役割が期待されるからで、はよ歌わせろい。
ということで、フリータイム終了延長なしである。
リリースから時が経つにつれ、カラオケ化の夢は遠ざかるのは百も承知だが、やはり歌いたいものは歌いたい。せめてもの慰めで思いを文字に起こしても、なんだか居心地が悪いような気もする。
なので、もし上記の歌がカバーで流れてくる家があれば、そこには私がいる可能性大なので、すみやかにDAMかJOYのカラオケ配信曲投票で、一票を投じてくださると幸いです。
【ゲーム】騎手の生き様を彩る「ひらがな」
本当に大事なことは、ひらがなでも充分に伝えることが出来る。
幸か不幸か、勝負に関わる情報が全て簡単な文字だったゲームに、幼い私は心を奪われた。
これまでの私の視力と時間とを奪い去っていったゲームの1つに、「ワールドダービー1993」というソフトがある。ハードはゲームギア。このハードは実に無骨な携帯ゲームであった。
競馬という未知なる世界に、まだ小学生も低学年だった私は、最初はおっかなびっくり触れ始め、そこから徐々に要領が分かるとのめりこんでいった。
小倉や中山がどこかも知らず、血統が何たるかも知らなかったが、そこには馬と人間とが織りなすドラマがあった。そして、おおざっぱながらも存在する戦法の違いや外見の差異などが私には新鮮で、一人一人の馬や騎手を自分なりに解釈して楽しんでいた。今思えば、「パワプロの登録名がどうだ」の、「オーストラリア代表のこの選手がどうだ」など、昨今の私の変態的こだわりはこの時期から芽を出していたのかもしれない。
さて、このゲームで冒頭の文章を色濃く表しているのは、ズバリ各騎手の説明である。
レース前には騎手を選択できるのだが、その騎手それぞれの説明文はほとんどがひらがなで、なかなかに味があって良い。
ということで今回は、その説明文を紹介すると共に、印象的なレースも適宜紹介しながら、好き勝手言いたいことを言おうと思う。
やすたか ランク・E (元ネタ・安田隆行)
ベテランのいじをみせる
トウカイテイオーを新馬から支えた功労者だが、このゲームでの彼の印象は「ダカラフラッシュ(元ネタ・ナガラフラッシュ)」の主戦騎手だということに尽きる。
3歳新馬のエース格であり、ゲーム上ではナルサ(ナリタ)ブライアンにも引けを取らない強さを見せつける。
しかし、ナガラフラッシュは安田騎手が主戦から離れてから1着を勝ち取ることはなく、95年を以て引退。
また安田騎手は、彼女が引退した95年から調教師として活躍し、名馬を何頭も輩出している。
そんな彼は、最後に文字通りベテランの意地を見せ、ナガラフラッシュの躍動に心血を注いだ。簡潔な一文に、彼の自負が存分に込められていると思うと感慨深い。
むらもち ランク・D (元ネタ・村本善之)
しごとはそつなく
「そつのない仕事」ができる人ほど、職場に必要とされる人間はいないと思う。
そこには派手さはない。けれども、気が付くとその人は職場の中核を担っているのだ。
そんな仕事師が村本騎手である。
ゲーム上では、主にイイノディクタス(元ネタ・イクノディクタス)の主戦騎手として活躍。
正直、ゲーム上ではそこまで怖い馬ではないのだが、気が付くと2着にいたりする。そしてハイライトは、実際の安田記念での2着だろう。
14番人気でスタートし、道中は後方待機。最後の直線はほぼ横一線ながらも、ゴール直前にスルッと前に出てハナ差で2着と相成ったのだ。
ヤマニンゼファー、シンコウラブリイ、ニシノフラワーなど重賞複勝馬たちがひしめく中での2位。単勝オッズが100倍を超えるという超伏兵が魅せた奇跡に、村本騎手の渋さが光った。
続く宝塚記念でも、最強牝馬・メジロマックイーンに次ぐ2着でゴールインし、名脇役としての面目躍如たる活躍を見せている。
それほど極端な追い込みを見せるわけでもないのだが、勝ち取るところはしっかりとモノにする村本騎手には、まさに「そつのない」という一言がピッタリである。
そんな味のある彼の騎乗と紹介コメントとに、酒が進むこと請け合いだ。
なかだち ランク・D (元ネタ・中館英二)
ダートでにがせばあなあり
このゲームでも希少な、ダートに強い騎手として彼は登場する。
とはいえ、ダートでの活躍よりも逃げの印象が強いのは、彼の騎乗するトリプルターボ(元ネタ・ツインターボ)に原因があるのは明らかだ。
というのも、このトリプルターボ、ゲーム中でも1,2位を争う逃げ馬として登場するのである。
ゲームで出てくるのは、七夕賞とオールカマーの2レース。このどちらも驚異的なスピードで大逃げを打って出る。
「あなあり」どころか、風穴を開ける勢いで1位を独走しゴールかっさらっていくのがお約束となっている。
さすがにゲーム上での演出なんだろうと思いきや、彼らは実際のレースでもとんでもない大逃げを見せファンには愛されていたのだ。
オールカマーのが好きなので、そちらを紹介しよう。
もう、とんでもないスピードである。単独首位とはまさにこのことで、逃げ専門であるはずのホワイトストーンすら、このスピードについていけていない。
ホワイトストーンがそれほど大崩れせず4着という点と、地味に2位をかっさらったのが、地方競馬の雄である「ハシルショウグン」という点も良い。天皇賞馬であるライスシャワーに土をつけた馬は数あれど、ここまで圧倒的なレース展開を見せつけたのは、ツインターボ・中館ペア以外にはいないだろう。歴史に残る一戦と言って良い。
実際に、中館騎手はダートでも「買える」騎手として活躍したようなのだが、ツインターボの逃げと言い、ヒシアマゾンの活躍と言い、その潜在能力の高さには目を見張るものがある。
「穴馬」を生み出す彼に、「穴」はなかったと言うべきか。
以上、今回はここまでで終着。
まだまだ上のランクの騎手がいるが、それはまた別のレースで。
自分自身、競馬はそんなに熱心には見ていないし、馬券を買ったこともないのだが、これ程までに個性豊かな騎手や馬たちが生きた時代に間接的にでも触れられて、本当に幸せである。
「コメントにひらがなだけじゃなくて、カタカナも混ざってんじゃねーか」という馬並みに視野の広い方からのヤジが飛んできそうだが、そこの部分は、どうかセイネヴァーで・・・・。
【生活】タイムスリップ ラン ザ ロード
よくよく考えてみれば、中学を卒業して以来まともに運動をしていなかった。
日々の生活のなかで、例えば駅の階段を積極的に上り下りするとかはしていたけれど、本格的に走ることなどはない。社会人になったことをきっかけに運動に手を出す人もいれば、私はどちらかというとインドアな趣味をより深く楽しむほうだった。
しかし、そんな私を外に連れ出したきっかけがある。ホカオネオネとエンジニアードガーメンツのコラボシューズの発売だ。
https://www.hokaoneone.jp/unisex-road/hupana-2-eg/1097110/BTBK/
「antenna」だったかでファッションブランドのコラボ特集を何とはなしに見ている時に目が留まり、一切触れたことのなかったランニングシューズの世界の扉を開けたのだった。買ってしまえば走るしかないということで、素敵な青と黒とのグラデーションのシューズを迎えた私は、まさに今日この日に初めてのランニングを敢行した。
シューズの感触はばっちり。道を蹴る足も軽やかで、さすがは「time to fly」の謳い文句といった弾力性。
一歩一歩踏み出すごとにしっかりと大地を踏みしめてくれる安定感が嬉しい。
足を運ぶごとに迫りくる喜びに、一歩また一歩と足を出していく。走るって楽しいなぁ・・・・。
5分後、めちゃめちゃ息があがる。喘息特有の、水あめが喉奥に張り付くかのような炎症が私を襲う。目的地まではずーっと坂道である。
私はさながらシルポート並みに逆噴射をしながら、坂道をズルズル登っていく。くしくも、周囲には幼いころに遊びまわった景色が走馬灯のように広がっている。死も近い。
私は走れば走るほどに苦しくなっていき、変わらない風景は依然として思い出を映し続ける。走れば走るほど、「今」が感じられるその瞬間に、私はなんとも理不尽な時間の流れを確かに見つけていた。
その時、その地域で一番ぜえぜえしていたであろう私は、スピードをウォーキング程度に緩めてなんとか生き永らえた。というより、半死状態なのでリアルウォーキングデッド状態ではあったが。
歩いてみると、春の陽気が柔らかく感じられ、上下のスポーツウェアの締め付けが心地よく筋肉を支えていることに気が付く。北方三国志で張飛が、「死地に入ってからが本番」的なことを言っていたのを思い出した。あれを読んだのはいつだったか。
その後、走ったり歩いたりを繰り返しつつ、目的の森林公園で一休み。
一瞬、悠久の時を超えた何かが口から出そうになるも、物理の力でねじ伏せて事なきを得た。
行きの1.8キロに対し、帰りはペース配分を少し緩くしての2.5キロで走行。SASUKEにて「息を吸え」というアドバイスが飛んでたのを思い出し、呼吸を意識しての帰宅となったが、これが意外に足が動いた。少しは錆びついた身体も順応したのかと思うと感慨深い。
そんなこんなで、ランニング生活1日目は終了。1日おきで少しずつ走れるかを試していこうと思う。
もう3月も本当に終わりを迎え、いよいよ4月に突入だ。
寝ている間に人は夢の中で走り、あるいは動き回って、時間だけが身体を朝へと連れ去っていく。
今日も寝ている間に、私は4月1日へとタイムスリップしていることだろう。そんなベッドルームでの思いを乗せてこの曲でお別れ。春へと、ページをめくろう。