【音楽】向阻花(サンフラワー)に見た夢
人間誰しも、好きな「こってこてなもの」があると思う。
例えば、こってこての説明口調で長い台詞回しのツッコミ、存在感のある香料が香るこってこての駄菓子、こってこてのメタルミュージック等々・・・・。
そこには、その人が思う対象へのイメージがあって、こってこてであることで「思い通りである」という安心を得られるから、好きなんだとも思う。
かくいう私にも好きな、こってこてなものがある。
それは、「中国風の音楽」である。
例えばこんなん。
なんというかこう、中国に関わりが無くてもどこか昔懐かしく、「中国って雰囲気するアルね~」とついつい聴き入ってしまう。(中国の人は、中国こんなじゃねーぞって思ってるかもだけど)
そして、本記事で触れたいのは「向阻花(サンフラワー)」という一曲。
李雲迪 Yundi Li - sun flower (piano)
母親が、中国出身のユンディ・リというピアニストのファンで、よくCDをかけていたのだけれど、そこで耳に残ったのがこの曲だった。古き良き中国っぽくて、どこか懐かしい。
それはもう運命の一曲みたいなもので、私は演奏開始と同時に一気に引き込まれた。
曲冒頭の小気味良い入りも最高だけれど、上の動画だと0:25くらいの部分が本当にたまらない。そこに、何かから解放される時のような爽やかさとほのかに薫る懐かしさとが感じられて、1回聴いただけで大好きになってしまったのだ。
初めて聴いたとき、私の頭の中に広がったのは、アトリエ風の決して広くはない一部屋と、まるで対比するかのようにその部屋の窓から、見える広大なひまわり畑の風景だった。きっと、スペインかどっかの片田舎の(書いてて思ったけど、中国じゃねーのかよ)。
「音楽ファンタジー・ゆめ」を見て育った私は、曲を聴きながら風景を描くのが好きな子供だった。いわば、音楽に夢を見させられていたのだけれど、そういう曲との出会いって本当に貴重だし、天恵みたいなものだ。
誰だって「LIFE!」の主人公みたく自分だけの空想の世界を描き出すだろうから、全員が経験あるものだと勝手に考えてるんだけど、そういう体験談を今まで人に聞いたことないことにも気付かされる。そして、直感的に思い描いた風景こそが真に「その人のセンス」を表しているんじゃないだろうか。
この「向阻花(サンフラワー)」は、出来れば一度で良いので聴いてほしい。
そして、聴いたあなたが何かしら思いを巡らせてくれたら、それ以上の喜びはありません。俺ルールで申し訳ありませんが「さんふらわあ」連想は禁止ね。