自己表現ぶろぐ

会社では冴えない社会人が、ネット弁慶になるためのブログ。好きなものや興味のあるものの感想を、ちまちま書きます。

【読書】センスのバトン

私はよく図書館へ行く。

基本的には、何かを返したついでに何かを借りてというサイクルで、健康的なサイクリングかの如く、知の自転車操業を楽しんでいる。

そこで、図書館へ赴いて本を返却したときには、決まって私は「きょう返ってきた本」のコーナーへ足を運ぶ。

 

なぜかというと、そこには必ず誰かが必要としたであろう本が並んでいるからだ。

言うなれば、「センスのバトン」。誰かがその本を選んだセンスと自分の尺度とをすり合わせ、本を取捨選択していく時間は、知らぬ誰かと時間を共有しているようで楽しい。

誰かが作者や本の内容を絶賛することもなく、仮の宿りを離れたばかりの本たちが、ただ表紙を露わにだけして次の家主を待っている。

それは「タイトル買い」、あるいは「ジャケット買い」に近いのかもしれないが、予備知識がゼロでも本に触れられる点において、これほど気楽な本選びはないと思う。

 

というわけで今回は、そんなテキトーに選んで良かった本を紹介し、言いたい放題解説していこうと思う。

 

子供がもらって、そうでもないブローチ集 (Switch library)

子供がもらって、そうでもないブローチ集 (Switch library)

 

 

ご存知、オアシズ・光浦さんが書かれたシリーズ二作目の本書。

まず目につくは、センス爆発の金字塔的タイトル。これに飛びつける人とは仲良くやっていけそうな感じを覚えさせる、なんともたまらない表題となっている。

内容は、光浦さんが独身としての将来への不安を垣間見せつつ、独自のユーモアを展開してゆる~く手芸を楽しむさまが非常に面白い。

かと言えば、結構ガチの技量を見せつけて作品を完成させているので、そのギャップにもおもわず笑ってしまう。

また、おぎやはぎの小木さんと光浦さんとの対談の場面も収録されているのだが、小木さんの一方的なブス批判がひどすぎて笑った。けれど、光浦さんも歴戦の才女であり、それに渡り合ってしまうのだ。

そんな彼女のおかげで、全体的にゆるゆるな雰囲気でハッピーになれる一冊。モリマン・モリ夫が紙媒体で拝める点も良いね。

 

 

アレの名前大百科 (PHP文庫)

アレの名前大百科 (PHP文庫)

 

 

具体的に言うと、カラビナとかクロージャとかソンブレロとかの名前を思い出すための一冊。もちろん、新しい知見が得られる可能性も大である。

周囲にある、身近だけど案外名前を知れない物の名や、一度覚えてたけど忘れちゃった物の名が大量に載っていて楽しい。その君の名は。」具合には新海誠もびっくりであろう。

痒いところに手が届く、とはこの本のためにあるような言葉で、ありそうでなかった路線を開拓してそれをお金を生み出すコンテンツにするあたり、みうらじゅんの手腕が存分に発揮された書物であるともいえるのではないだろうか。

ともかく、読んだ後は誰かに話したくなること請け合い。積極的に話して自分の知識にしてしまおう。ただし、やりすぎるとアレ呼ばわりされるかもしれないので気を付けよう。

 

 

世界をひとりで歩いてみた――女30にして旅に目覚める

世界をひとりで歩いてみた――女30にして旅に目覚める

 

 

ブログの女王が、実は一人旅の女王でもあったというオチ。そんな一冊がコレだ。

自分で旅券や宿泊施設の用意をするドキドキ感や、現地での会話する際の緊張感も相まって、読んでいるこちらもどこか海外へ行きたくなってしまう。フランスでクロワッサン買うくだりが最高に良い。

そして、年齢にとらわれず行きたいところに行ってみる真鍋かをりの姿勢に、なんだか「やってやるぞ」というような元気をももらえるのである。

「ひとりで」歩く行為はいつしか、自分の夢や憧れを「ひとりでに」具現化するのかもしれない。

 

 

以上で紹介は終わりである。

もっと手に取っていたような気もするが、自分で選んだのとごっちゃになってしまったのでこの辺りでご勘弁を。

耳をすませば」ではないが、誰かが借りた本は、また別の誰かへとつながるのだ。その知の流れが耕す道が、きっとどこかに続くことを願ってこの曲でお別れ。

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