自己表現ぶろぐ

会社では冴えない社会人が、ネット弁慶になるためのブログ。好きなものや興味のあるものの感想を、ちまちま書きます。

【生活】「それな」に、立ち向かう。

「それな」という若者言葉が存在する。

相手の何かしらに共感した際に使用される言葉で、使うことで、「自分も同意見だよ」という意志表明を行える。

 

私は、この言葉はあんまし好きではない。そして、この言葉をボケで使ったりはするけれど、まさか真面目に相手へ共感を示す際に使う人はいないと思っている。

ただ、そんな偏屈なことを言っていたら世の中の流れに取り残されてしまうので、今回は、「それな」という3文字について正面から向き合い、前半後半に分けて好き勝手言いたいことを言っていこうと思う。

前半では、「それな」に対する感想と考察。そして後半では、「それな」使用者のバックボーンを掘り下げ、使用理由をタイプ別に考える。ぶっちゃけ、偏見と嘘とが飛び交うだけです。

 

「それな」?それなに?

前述したように、私が「それな」という言葉に持つ印象は決して良いものではない。なぜなら、「あなたの言うことは分かるよ、本当にそうだよね」という感情表現を3文字で済ませようとする姿勢が嫌だから、だ。

アニメ「四月は君の嘘」の「光るなら」のサビで説明すると、

君だよ 君なんだよ

を、「君な」で済ませるような感じに思える。 嘘だと言ってくれ。

 

3文字という簡潔な文字列で、相手の信任を得て味方になろうとしているのである。ローリスクハイリターン、プロセスよりも結果、といった言葉が浮かんでは消えていく。

しかしなぜそのような事態になるかというと、それはスマホの普及がもたらした時短意識が「それな」に集約されているからだ、と言えるのではないか。そして、デジタルネイティブ世代が特に、その時短意識に影響を受けているとも考えられる。

スマホのタップ一つで目当ての情報や、求めている事柄にたどり着くこのご時世。生まれながらに大量の情報の海に慣れ親しんできた若者は、その荒波を渡りきるために最短ルートでの航海を余儀なくされ、日々向上する便利さに向き合っているのだ。

そしてその過程で、若者の口から「それな」という革新が発されたのである。金田一先生一族~!新たな日本語ここにありますよ~!!!

 

つまり、「それな」とは若者の生活スタイルが生み出した怪物であり快刀である。私は、その底深さや鋭利さに負け、つい負け惜しみを言ってしまっているに過ぎないのだ。

また他方では、オドループのサビの部分だけ踊ってみた動画がネットに登場する事態にも陥っているらしいが、こちらは「それな」の持つ時短意識との因果関係を調査中である。

 

「それな」使用者をタイプ別に解説

では、そんな「それな」を使う人はどんな人なのだろうか?ここからは、それをタイプ別に分けて考えていく。

 

・察しの文化を後世へと継承したいタイプ

日本語には、全てを口に出さずとも会話が成立するケースが存在する。つまり、「それな」においても同様のケースが想定される。

「それな」によって省略された部分を相手に察させることで、日本特有の文化を口伝で継承させていくという、文化継承を日常から行っているのだ。落語家志望に多いタイプだと言えよう。

 

・最近、「It(それ)と呼ばれた子」を読破したタイプ

過酷な内容で話題になった書籍。これに感化され、決して子供を酷い虐待の目に合わせてはいけないという正義感が、「それな」を使うことに駆り立てているのだ。

あえて「それな」と言うことで、「おいやめろ」という返答をさせ、会話者に「It(それ)と呼ばれた子」のことを思い出させようとしているのだ。有難迷惑である。

 

・「それ」が示す内容を相手に問うているタイプ

デジタルネイティブ世代は、ネットで情報へ気軽にアクセスし、それをSNSなどでアウトプットすることに慣れている。

インプットした内容をアウトプットする大事さを知っているからこそ、相手にもその大事さを伝えてあげたいのだ。

「それな」という一言は、それが示す内容を、先程の会話文から抜き出し当てはめなさい」という出題文なのである。このタイプは受験戦争の被害者とも言えよう。

 

・その他のタイプ

複雑怪奇な世の中を、決まったタイプのみで分けられると考えるのは無粋である。

 

如何だったであろうか?ちなみに、私はちょっと楽しかった。

しかし、他人の発言をここまでネチネチ言う人は、魔法の一言で黙らせてやると良い。

 

「それな」